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2007年12月 4日 (火)

大学院の2年目スタート

あっという間に12月になってしまいました。

前回のUPが9月ですから、3ヶ月もお休みしちゃったことになります。

で、この間、何をしていたかというと・・・

まず、9

夏休みが終わり、サザンプトン大学の

行動カウンセリングのコースが再びスタートしました。

今回は、去年のおさらいに加え、心理学と神経生理学、

そして行動学の研究方法についての講義がありました。

どれも、行動治療やカウンセリングに欠かせない知識です。

特に興味をひかれたのは、日ごろ学会や雑誌などで発表される

論文の評価法についての授業でした。

学者たちが研究した結果が書かれた論文を読む時は、

そのまま結果をうのみにしてはいけない。

それ以前に発表されたどんな説を参考に、

研究者がどんな仮説を立てたか?

それを実証するためにどんな調査や実験が行われたか?

その方法は妥当なのか?

結果はどうなったのか?

その結果から考えられることは何か?などなど・・・

一つ一つ丁寧に深く読み込んでいって

初めて、この論文は信じていいものなのかどうかを判断します。

そしてさっそくある研究の論文を読み、

それを批判的に評価せよという課題が出されました。

読んだのは、実際に子犬のしつけ教室を行い、

参加した子犬たちに随時テストをし、

しつけ教室ははたして有効なのかを研究した論文でした。

なかなか面白そうなテーマなのですが、この研究には大きな欠点がありました。

それは、テストの結果が、犬の行動を判定した人が考えるところの

「よい行動」「悪い行動」という主観的な判断で決められていたこと。

行動を判定する時に、こんな曖昧な判定法ではいけません。

よい行動とは何か?実際にどんな行動をすると

「よい」と判断されるのかということについて、

論文には何も書かれていなかったのです。

これでは、テストした人の個人的な思い込みや好みで

テストの結果が決まってしまいます。

行動の研究をする時は、客観的基準=ひとつの行動を誰が判定しても、

ほぼ同じ評価が得られる基準を決めておかなくてはいけないのです。

さて、発表された結果をまずは疑ってみるべしという考えは、

日ごろの私たちの身近なところ、テレビや新聞、

雑誌などで言われていること当てはめられます。

ちょっと前に、日本で「納豆がダイエットに効く」という番組を見て

納豆を買い占めた人たちが、

実は何の根拠もない実験結果に騙されたとわかり、騒ぎになりましたね。

この件は、不確かな情報を提供した人が全面的に悪い

ということになってしまったようですが、

視聴者も、結果を批判的に考える姿勢を持っていれば、

あわてて納豆を買いに走らなくて済んだのかもしれません。

また、よく報道番組などで、「当社が独自に行った世論調査では・・・」

という言い回しをすることがありますが、

これも「独自」の方法であり、それは「当社」の偏見が含まれている可能性がある

と考えた方が無難です。その調査をもとに、

何か一つの団体や個人を責めていればなおさらです。

非難するのが目的で調査対象を絞っている・・・

つまりその団体や個人に反対する人たちばかりの

意見を聞いているかもしれないからです。

こうやって考えると、何を信じていいのやらわからなくなってきますが、

言われたことを安易に信じるのではなく、

あらゆる角度から検証するのは、大切なことだと思います。

偏屈おばさんと呼ばれてしまうかもしれないですけどね・・。

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2007年12月 7日 (金)

双子ちゃんのトレーニング

10月に入って、双子のキャバリア・キングチャールズ・スパニエルの子犬のトレーニングを始めました。ハリーとジョージという、とっても元気のいい兄弟です。
最初に会ったのは動物病院。
予防注射にやって来たまだ生後3ヶ月の子犬たちを
待合室で見つけ、声をかけました。
Cimg1733_2 

まったく同じ顔、同じ模様で、付けている首輪の色で見分けをつけなくては、
どっちがどっちだか飼い主にもわからないとか・・。
2頭は家にやってきてからずっと、同じ部屋で過ごし、
夜は同じ犬用ベッドの上に体を寄せ合って寝ているとのことでした。


最初の悩みはトイレのトレーニング。
2頭一緒にトイレシートの上に連れていくと、
1頭はうまくできても、もう1頭は逃げてしまい部屋の隅で
おしっこやウンチをしてしまうらしいのです。


飼い主さんは犬を選ぶ時に、2頭一緒に飼えば
犬同士で遊んでくれるから、人間はあまり手をかけなくても育てられる、
だから楽だよと勧められたそうです。
確かに2頭ともずっといい子にしていれば楽ですが、
悪いことをするのも2頭一緒。
だから実は双子は2倍、トレーニングなどの時間と手間がかかるのでした。
そんなことをいろいろ説明してあげたら、
ぜひ家に来ていろいろ教えてくださいと頼まれました。

おうちでは、まず子犬を別々のサークルに入れるようアドバイス。
一緒に仲良く寝ているのは子犬のうちだけ。
大きくなるに従って、ライバル心が芽生え、
お気に入りのベッドの上や餌、おもちゃなどを取り合って
毎日ケンカをするようになるかもしれないからです。
飼い主さんはこんなに仲良しの2頭を離すのはちょっと納得いかない様子でしたが、
オス同士ということもあり、やはり将来のことを考えて離して寝かせることにしました。
こうなるとトイレのしつけも断然楽になります。
自分の寝場所ではトイレはしたくないという犬の習性を利用し、
1頭ずつまめにトイレまで連れて行ってあげます。
1週間しないうちに、トイレに行きたい時はサークルの中で鳴いて、
飼い主に知らせるようになりました。

その他の基本的なしつけも全て別々に教えます。
1人でトレーニングする時は1頭ずつ順番に、
2人いるなら2頭同時にできます。
お散歩も別々に行かないと、お行儀よく歩けるようになりません。
リードなしで公園で遊ばせられるようになるために、呼べば必ず戻ってくるしつけも
別々に行います。

しつけをせずに、ずっと一緒に遊ばせてばかりだと、
犬的には満足な生活が送れますが、
人の言う事を無視する犬に育ってしまいます。
いつも2頭でいたずらをして、飼い主はそれを叱るばかりの生活では、
犬を飼っている楽しみも半減してしまいます。
だから人間の言うことが聞ける犬に育つよう、
小さい時にしっかりしつけをするんですね。
自分たちは犬だけど、人間と一緒に暮らしていることを忘れさせないためです。

そうやってしつけを続けていると、この犬たちのことがいろいろ分かってきました。
ハリーはどちらかといえば自信家でマイペース。
何があってもあまり動じません。
それはいいのですがちょっぴり頑固で言う事を聞かない面もあります。
それに比べジョージは少し臆病で、いつもハリーの後を追いかけています。
でもハリーよりもおとなしくて、人間に甘えたがります。
ジョージはハリーの行動を真似することが多いので、
ハリーのしつけをしっかりすれば、ジョージもそれを見習います。
何かと時間と手間が掛かる双子の子犬育てですが、
性格の違いを比べながら成長を見守るのはすごく楽しいです。
どんな大人に育っていくか、今から待ち遠しいです。

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2007年12月 9日 (日)

Medivetのパピークラス

10月の後半から、現在働いているヘンドンのMedivet で、
パピークラス(子犬のしつけ教室)がスタートしました。
以前働いていたハムステッドのMedivetでも、パピークラスを開催していましたが、
理由があってそちらのクラスはお休み状態になっていました。
一番の問題点は、病院内のスペース不足。
ハムステッドでは、待合室を利用していましたが、
そこは普段、病気の犬も待つところ。もちろんクラスの前に清潔に掃除し、
レッスン時間は診療の予約を入れないようにしていましたが、
レッスン中に駆け込みの患者さんなどが来たりして、
中断しなくてはならない時もありました。
それともう一つ、ナースが中心になってクラスを運営していたのですが、
彼女たちには病院内での他の仕事もあって、
準備やしつけの勉強などの時間がなかなか取れないという意見が出たのです。
さらに、個々の子犬によって、アドバイスすることが異なるということもあり、
いろいろ考えた結果、中途半端に無理をしてクラスを運営するよりも、
子犬が病院にやってくるたびに、私が個人指導した方がよいという結論に達し、今に至っていました。

今回、ヘンドンでクラスがスタートすることができたのは、
2年前から始まった病院の拡張工事がやっと終わり、、病院のスペースが2倍になり、
スタッフのミーティングルームを教室として利用できるようになったからです。
それでも、普通のドッグスクールで使用しているホールなどに比べれば狭いスペース。
あまり子犬や人々が密集しすぎると、それがストレスの原因となりますから、
参加できる子犬の数を少数に限って、レッスンをすることになりました。

レッスンは、ヘンドンのナース長のサーシャと私で行います。
サーシャも私と同じ時期にハムステッドで働いていて、
その時も一緒にパピークラスをやっていたので、
安心して指導を任せることができます。
動物病院で開くクラスなので、ドッグスクールのクラスとは少し違うレッスン内容になっていて、
犬の正しい飼い方や病気予防の知識を身につけてもらうことにも重点を置いています。
また、犬の体の検査方法などもしっかり教えます。もちろん犬の行動やしつけ、
子犬時の社会化の大切さ、飼い主との絆の築き方なども教えています。
日ごろから犬のストレスに注目している私は、
どうやって、子犬にリラックスすることを学ばせるかという指導に重点を置いています。
一番のお楽しみは、やはり子犬同士を遊ばせる時間。
でも、これは犬の様子をしっかり観察しながら注意深く遊ばせなくてはいけません。
でないと、いじめっ子の犬、弱虫の犬など問題犬を作る原因になってしまいます。
4週間という短いコースですが、
子犬たちの成長による変化、そしてしつけをきちんとすることでの効果がよくわかり、
飼い主さんたちも満足してくれています。

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2007年12月13日 (木)

今年も花火の季節

毎年10月の終わりから11月は、動物病院での私の仕事が増えます。

それは、ガイフォークスデーやディワリとったお祭がある季節だからです。

このお祭の時には花火をあげるのが習慣になっていて、

近所の公園や一般家庭の庭でも大きな音のする打ち上げ花火をあげる人たちが増えています。

この音が本当に信じられないくらい大きくて、人間でもその音を聞くと、びっくりしてしまうくらい。

ましてや耳のよい犬や猫には、ものすごいボリュームで聞こえているはずなのです。

そして、この音を聞くとびっくりするだけでなく、なぜか怖い、不快だと感じる人もいると思います。

こういったびっくり音は、動物には警報のように感じられるもので、

特に理由もなく脳が「危険が迫っている」と思って、それに従って体も反応してしまうのです。

人間の場合、花火の音だとわかれば、どきどきしながらも危険なことではないと判断できますが、

動物たちはそれがわかりませんから、命の危険を感じ、逃げようとしたり隠れたり、

時にパニックを起こしたりします。

この季節、このような大きな花火の音が毎日のようにどこかで鳴っているので、

犬猫たちは落ち着いて過ごすことができません。

しまいには夕方外が暗くなってきただけで、花火が鳴るんじゃないかと不安になり、

外に出たがらない犬もいるほどです。

猫の場合、花火の時間に外に出ていて、

びっくりして逃げたまま、行方不明になってしまったり、

交通事故に合うケースもあります。

そしてこの長引く恐怖、不安、ストレスが、犬猫の体にも影響を及ぼします。

もちろん、それだけが原因とは言い切れませんが、

この時期におなかを壊したり、おしっこの異常が認められたりする犬や猫の中には、

花火の音を怖がるものたちが多くいます。

夜のお散歩に行けなくて我慢した結果、おなかの調子が悪くなったり、膀胱炎になったり・・。

また、長引くストレスにより、体の免疫力が低下し、

普通だったら体に取り込んでも免疫力で退治できる細菌やウイルスに抵抗できなくて、

腸炎を起こすケースもあります。

そんなわけで、病院にこのようなケースが来たら、

私が詳しく話を聞くようにしています。

花火の季節のストレス解消法などを書いたパンフレットを渡し、

個々にどんな症状か、どう対処すればよいかをアドバイスしています。

それにしても最近はお祭り好きの人が増えたのか、

12月になっても花火をあげる人がいます。

そしてそれは、これから来るクリスマス、そしてお正月へと続いていきます。

本当は動物たちのことを考えて、花火を自粛してもらうのが一番なのですが、

そうもいかないのが現実です。

実はこの音恐怖症を少しでもなくすために、

徐々に音に慣らしていくトレーニングが法があるのです。

でも、これは花火が実際になっている時期には始めることができません。

このトレーニングについても説明し、お勧めするのですが、

春ごろ開始するトレーニングのため、そのころには恐怖症状もすっかりなくなり、

必要性を感じなくなったとキャンセルする飼い主がほとんどです。

残念ながら、飼い主さんの協力がないとトレーニングはうまくいきません。

喉元過ぎれば熱さ忘れるというのが人間なのでしょうか・・・。

来年の春には、一人でも多くの人がトレーニングを始めてくれることを祈っています。

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