今年も花火の季節
毎年10月の終わりから11月は、動物病院での私の仕事が増えます。
それは、ガイフォークスデーやディワリとったお祭がある季節だからです。
このお祭の時には花火をあげるのが習慣になっていて、
近所の公園や一般家庭の庭でも大きな音のする打ち上げ花火をあげる人たちが増えています。
この音が本当に信じられないくらい大きくて、人間でもその音を聞くと、びっくりしてしまうくらい。
ましてや耳のよい犬や猫には、ものすごいボリュームで聞こえているはずなのです。
そして、この音を聞くとびっくりするだけでなく、なぜか怖い、不快だと感じる人もいると思います。
こういったびっくり音は、動物には警報のように感じられるもので、
特に理由もなく脳が「危険が迫っている」と思って、それに従って体も反応してしまうのです。
人間の場合、花火の音だとわかれば、どきどきしながらも危険なことではないと判断できますが、
動物たちはそれがわかりませんから、命の危険を感じ、逃げようとしたり隠れたり、
時にパニックを起こしたりします。
この季節、このような大きな花火の音が毎日のようにどこかで鳴っているので、
犬猫たちは落ち着いて過ごすことができません。
しまいには夕方外が暗くなってきただけで、花火が鳴るんじゃないかと不安になり、
外に出たがらない犬もいるほどです。
猫の場合、花火の時間に外に出ていて、
びっくりして逃げたまま、行方不明になってしまったり、
交通事故に合うケースもあります。
そしてこの長引く恐怖、不安、ストレスが、犬猫の体にも影響を及ぼします。
もちろん、それだけが原因とは言い切れませんが、
この時期におなかを壊したり、おしっこの異常が認められたりする犬や猫の中には、
花火の音を怖がるものたちが多くいます。
夜のお散歩に行けなくて我慢した結果、おなかの調子が悪くなったり、膀胱炎になったり・・。
また、長引くストレスにより、体の免疫力が低下し、
普通だったら体に取り込んでも免疫力で退治できる細菌やウイルスに抵抗できなくて、
腸炎を起こすケースもあります。
そんなわけで、病院にこのようなケースが来たら、
私が詳しく話を聞くようにしています。
花火の季節のストレス解消法などを書いたパンフレットを渡し、
個々にどんな症状か、どう対処すればよいかをアドバイスしています。
それにしても最近はお祭り好きの人が増えたのか、
12月になっても花火をあげる人がいます。
そしてそれは、これから来るクリスマス、そしてお正月へと続いていきます。
本当は動物たちのことを考えて、花火を自粛してもらうのが一番なのですが、
そうもいかないのが現実です。
実はこの音恐怖症を少しでもなくすために、
徐々に音に慣らしていくトレーニングが法があるのです。
でも、これは花火が実際になっている時期には始めることができません。
このトレーニングについても説明し、お勧めするのですが、
春ごろ開始するトレーニングのため、そのころには恐怖症状もすっかりなくなり、
必要性を感じなくなったとキャンセルする飼い主がほとんどです。
残念ながら、飼い主さんの協力がないとトレーニングはうまくいきません。
喉元過ぎれば熱さ忘れるというのが人間なのでしょうか・・・。
来年の春には、一人でも多くの人がトレーニングを始めてくれることを祈っています。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。


コメント